― オールドハンターが抱いた違和感の正体 ―
『モンスターハンターワイルズ』は、売上だけ見ればシリーズ最速級の大ヒットを記録しています。しかし、その熱狂の裏で、プレイヤーの間からは「なんか物足りない」「前作より退化した?」という戸惑いの声が後を絶ちません。
特に、ワールド/アイスボーン(W/IB)やライズ/サンブレイク(R/SB)という濃密な時間を駆け抜けたオールド勢ほど、この違和感の正体を突き止められずに悶々としているのではないでしょうか。
今回は、なぜワイルズが「イマイチ」と感じられてしまうのか。技術の進化の影に隠れた「物足りなさ」の理由を、長年のファン目線で整理していきます。
1. 「ビルドの沼」が浅くなった寂しさ
モンハンにおける中毒性の核は、狩りそのもの以上に「武器・防具・護石を組み合わせて理想のビルドを練り上げる時間」にあります。
前作までのビルド遊びは、まさにシリーズ史上最高潮の成熟を見せていました。
- 圧倒的なスキルの種類と試行錯誤の幅
- 一つひとつが尖った性能を持つ防具の個性
- 一喜一憂が止まらない護石ガチャの爆発力
- 属性特化からロマン構成まで、無限に広がる選択肢
この「装備を考えていたら朝になっていた」という時間が溶ける感覚こそが、モンハンの醍醐味でした。しかしワイルズでは、スキルはシンプルになり、防具の個性も控えめ。汎用構成が強すぎるあまり、ビルドの深みが大きく後退してしまった印象です。
2. アクションの「爽快感」はどこへ消えた?
特に顕著なのが、テクニカルな立ち回りが魅力だった「弓」の変化です。
ライズ時代の弓は、アクションゲームとして一つの完成形にありました。 「身躱し矢斬り」からの剛射ループ、翔蟲を駆使した変幻自在の機動力。避けて、当てる。あの指先に馴染む極上の快感を知っている身からすると、ワイルズの弓はどうしても「重く、制限が多く、テンポが悪い」と感じてしまいます。
技術的にリアルさを追求した結果、アクションとしての純粋な楽しさが一歩下がってしまった。そんな“先祖返り”のようなもどかしさが、違和感に拍車をかけています。
3. 古龍不在による「神話性」の欠如
モンハンという世界を特別なものにしていたのは、生態系を超越した「古龍という神話的存在」の重みです。
例えば、黒龍ミラボレアス。城に降り立ち、ゆっくりと鎌首をもたげるあの神々しい演出。「これから世界の運命が決まる」という儀式のような緊張感。人間には理解不能な災厄を討ち果たす達成感こそが、物語を締めくくる最後の一片でした。
ワイルズには、この“神話性”が希薄です。ラスボスが世界観の中心に鎮座している感覚が弱く、倒したところで世界が変わるわけでもない。結果として、物語の格が落ち、クリア後の達成感がどこか空虚なものになっています。
4. 没入感を削ぐ「技術的な未熟さ」
ワイルズが極めて野心的な技術に挑戦していることは認めますが、その反動があまりに強烈です。
- モンスター挙動の不安定さ
- 不自然な地形バグや同期のズレ
- ストレスの溜まるUIの不具合
前作までの安定感を知っているプレイヤーにとって、これらの不備はプレイ体験を瞬時に冷めさせます。特に、ハードウェアの安全性を懸念させるような不具合は、エンターテインメントとして論外と言わざるを得ません。
5. 総評:技術は進化した。しかし「魂」は?
ワイルズは間違いなく進化しています。グラフィックの美しさ、生態系の表現、刻々と変わる環境変化。これらは素晴らしい技術の結晶です。
しかし、私たちが求めていたのは「綺麗なだけの世界」ではありませんでした。
- ビルドを練る中毒性
- 指先に吸い付くような爽快感
- 世界を揺るがす神話的な重み
こうした「モンハンの魂」とも呼べる本質的な部分が、最新技術の影で薄まってしまった。オールド勢が抱く違和感の正体は、シリーズの本質が変容してしまったことへの、一抹の寂しさなのかもしれません。
まとめ
『モンハンワイルズ』は決して失敗作ではありません。売上という数字が、その商業的な成功を証明しています。
しかし、黄金期を共にしてきたファンほど、物足りなさを感じる構造になっているのも事実です。次作では、進化した技術と「モンハンの魂」が高い次元で融合した、あの熱狂をもう一度味わせてくれることを切に願っています。
もしワイルズのビルドやアクションに物足りなさを感じているなら、今あえて『ライズ/サンブレイク』をやり直すのが正解かもしれません。あの圧倒的な爽快感は、今プレイしても唯一無二です。Switch2版へのアップデートも期待ですね!
さて、皆さんは今回の「ワイルズ」、どう感じられましたか?
それでは、良きゲームライフを!






















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