はじめに:アクションの神、技術の壁
最近のゲーム業界を見ていると、どうしても独り言のように漏れてしまう感想があります。
「チーニン(Team NINJA)は、本当に、本当にもったいない……!」ということです。
アクションの手触りやスピード感、唯一無二のゲームデザイン。これらは間違いなく世界トップクラス。なのに、その輝かしい魅力を「技術面の壁」が少しだけ削ってしまっている気がしてならないんです。
- 「そこ、白飛びしちゃう?」と首を傾げるHDRの階調破綻
- 遠くの景色が少し寂しいLODの粗さ
- ここぞという場面でのカクつき(ストリーミングの弱さ)
- そして、PCユーザーを悩ませる最適化不足
こうした“ちょっとしたノイズ”が、神ゲーへの階段を阻んでいる。一方で、海外のAAAタイトルは「技術への投資」を当たり前のように行い、体験の土台をガチガチに固めてきます。そんな中、コーエー内部に「世界的ヒットを狙う独立したAAAチーム」が動いているという話。これ、実はかなりワクワクする展開なんじゃないかと思っています。
チーニンの“惜しさ”はどこから来るのか
チーニンの根底にあるのは、古き良きテクモ文化。「少数の天才が、現場のパッションで回す」というスタイルです。これが、現代の巨大化した開発現場では少し裏目に出ているのかもしれません。
- アクションのセンスは異常に高い(これはもう才能)
- でも、技術投資は最小限に抑えがち
- 結果、独自のエンジンを「継ぎ足し秘伝のタレ」状態で使い続ける
その結果、最新作なのにどこか「PS4時代の空気感」を引きずっているように見えてしまう。「触り心地は最高なのに、見た目が追いつかない」。このもどかしさに共感してくれるファンは、きっと私だけではないはずです。
海外AAAの技術基盤が「強すぎる」理由
正直なところ、海外のメガパブリッシャーが投じる技術リソースは、もはや暴力的なまでの規模です。
- DECIMAエンジン: 『デス・スト』で見せた、あの圧倒的な空気感と光。
- RE ENGINE: カプコンが誇る、フォトリアルと爆速動作の両立。
- UE5: Epicが提供する、次世代の描画スタンダード。
彼らは「体験の土台」を作るために数年をかけ、HDRやLOD、ストリーミングといった基礎体力を徹底的に鍛え上げます。この「土台の差」が、そのまま没入感の差として現れてしまうのが、今のAAA開発の残酷なリアルなんです。
コーエー内部に潜む「技術の縦割り」
面白いのは、同じコーエーテクモ内でもラインによって技術の「色」が全然違うことですよね。
- ウイニングポスト:低スペックでもサクサク、最適化の鬼。
- ガスト系:Unreal Engineを使いこなし、安定感抜群。
- Team NINJA:アクションは神。でもエンジンはちょっとレトロ。
- Ronin等のライン:オープンワールドに挑む、技術の成長痛。
コーエー全体が能天気なわけではなく、ラインごとに成熟度がバラバラで、ノウハウがまだ「点」の状態なんだと思います。特にチーニンは、ゲーム性の追求に全振りしすぎて、技術刷新を後回しにしてきたツケが来ているのかもしれません。
浮上した「AAAチーム」という一筋の光
でも、希望はあります。コーエーは決算資料でこう明言しました。
「グローバルAAAタイトルを開発中」
これ、既存のラインとは別に作られているのがミソ。つまり、今までの技術負債を一旦リセットして、「新しい流れ」で勝負しようとしているわけです。
このチームが作っているのは、きっと……
- 次世代アクションRPG:チーニンの強みを、最新の器に盛り付け直したもの。
- オープンワールドへの再挑戦:Roninでの学びを活かした、真の次世代体験。
- 世界が欲しがる「和風AAA」:『ツシマ』に続く、コーエー十八番のジャンル。
なぜ、今回は「期待」していいのか
「世界を獲る」と本気で宣言するなら、彼らも分かっているはずです。エンジンの刷新、HDRやPC最適化の強化……これらは避けて通れない課題だということを。
「チーニンの最高のアクション」×「現代AAAの盤石な技術」
もしこの融合が実現したら? そう考えると、期待せずにはいられません。これまでの「惜しさ」を突き抜ける瞬間が、もうすぐそこまで来ているのかもしれないんですから。
おわりに
チーニンの「惜しさ」を語ることは、彼らの「可能性」を信じることと同義です。コーエーが自ら「AAAチーム」を立ち上げたのは、会社自身もその課題を誰より理解しているというサインでしょう。
もしこのチームが本気で技術に投資し、チーニンの魂を次世代のクオリティで描き出せたら―。
その時、日本の、そしてコーエーのゲームが再び世界を震撼させる。そんな未来を、ちょっとニヤけながら待ってみようと思います。
ではではよきゲームライフを!






















コメントを残す