はじめに:面白いの向こう側にある“悪意”
『仁王3』を遊んでいて、久々に声を出して笑ってしまいました。
理由はシンプル。ラスボスとして待ち構える武田信玄の“地獄ステージ”が、あまりにも純度の高い悪意の塊だったからです。
「悪よのう、お主も……」
思わず画面の向こうの開発スタッフに、越後屋の悪代官ばりのセリフを吐きたくなるレベル。今回はその「理不尽の美学」を紐解いてみましょう。
ロックオン=死のカウントダウンという逆転現象
普通のアクションゲームにおいて、ロックオンは信頼できる相棒です。
しかし、この地獄ステージに限っては、ロックオンした瞬間に死のタイマーが作動します。
理由は、「視界が敵に固定されることで、足場が消える」から。
- 足元の段差が見えない
- マグマの縁が見えない
- 背後の落下ポイントが視界から消える
- カメラが壁に吸い込まれて画面が真っ赤に染まる
結果、華麗に攻撃を避けたつもりが、そのまま奈落へ。
これはもはやプレイヤースキルの問題ではなく、「カメラと地形による完璧なコンビネーション攻撃」と言わざるを得ません。
狭い足場 × ノックバック × マグマ = 理不尽の三重奏
このステージの本質は、敵の強さ以上に「地形の殺意」にあります。
- ステップで避けると落ちる
- ノックバックで落ちる
- カメラが暴れて落ちる
そもそも足場が狭すぎるんですよね。
「生き残るための回避」がそのまま「死への直行便」になるという、“逃げる=悪手”の設計が徹底されています。
視界外からの岩石:初見殺しのフルコース
さらに、遠距離から飛んでくる岩石が実にいやらしい。
- 発生源が見えない(カメラ外)
- 音が小さい(不意打ち)
- ダメージがデカい(致命傷)
- 当たるとノックバックで落下する(追撃)
「なんで今死んだ?」と、口から魂が漏れるタイプの理不尽。
初見殺しのテンプレをここまで贅沢に盛り込まれると、いっそ清々しさすら覚えます。
これは意図的な“プレイスタイル矯正ステージ”だ
ただ、この悪意は単なる嫌がらせではありません。
おそらくは、プレイヤーの「ロックオン依存」を破壊するための意図的なデザインなのでしょう。
仁王シリーズは、時折こうした“矯正”を強いてきます。
- これまでの正解が通用しない
- 無意識の「癖」が裏目に出る
- 新しい立ち回りを強制される
この地獄ステージは、そのスパルタ教育の最たる例。ロックオンを外し、自らの視界を自らで制御する「真の自由」を求めている(…のかもしれません)。
満を持して登場する「甲斐の虎」
地形に精神をズタボロに削られ、集中力が限界に達したところで、真打ち・武田信玄(人間形態)が登場します。
「地形ストレスで判断力を奪ってから、重厚な読み合いをさせる」
この構成、実に性格が悪い(褒め言葉)。
しかし、この極限状態だからこそ、信玄を討ち取った時の達成感は、他のボスでは味わえないほど巨大なものになります。
まとめ:悪意100%、でもクセになる
理不尽、初見殺し、カメラ殺し、地形殺しのオンパレード。
それでも、自分の甘えを叩き直されるような感覚は、非常に“仁王らしい”体験だと言えます。
「悪よのう、お主も…」と笑いながら、またコントローラーを握ってしまう。
そんな不思議な魅力に満ちた、まさに地獄の名にふさわしいステージでした。
ではでは、皆様も良き死にゲーライフを!






















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